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湿布をはっていれば治るの?

どうも!柔道整復師・鍼灸師の神保です。

 

 

 

今回はみんな大好き『湿布』について書いていきます。

じつは、湿布って、みんな良く分かっていないで使っていると思うんです。
そもそも湿布ってどんなものだと思いますか?

そんな良く分かってない湿布の種類と使い方を書いていきます。

・昔はどんな湿布を使っていたか
・湿布の定義とは
・湿布で出来る事・できない事

昔はどんな湿布を使っていたか

昔の歌で、

♪ごんべさんの赤ちゃんが風邪ひいた~♪
♪それ~であわてて湿布した♪

というものがあります(古)

 

今の常識からすると、風邪で湿布っておかしくないですか?
まだヴェ〇ラッ〇ならわかりますよね?

ヴェ〇ラッ〇は胸や足裏に塗って、メントールや消炎剤を体内に吸収させ、のどや気管支の炎症を抑えるものです。
粘性がありますが液体です、ふつうに売ってる湿布みたいな固体とは違います。

自分が子供のころ咳の出る風邪をひいた時、父が布に水で溶いたカラシを塗りたくったものを胸に張り付けた記憶があります。
カラシ湿布で呼吸が楽になりスヤスヤ眠れました。
一昔前は咳がでる時に、胸に湿布をしたようです。

 

以前読んだ古い書籍の中で、沖縄発症の某空手流派ではタニシをすり潰したもの(想像したくない)や馬肉(美味そう)を打ち身の箇所に張り付ける事で熱感を取ったり治りを良くしたりした、という文脈がありました。

知る人ぞ知る文献です、大正時代に初版が出ました。

馬肉は固体ですが、すりタニシは液体ですね。

某N倉堂という接骨の流派の院で自分は修業したことがあるんですが、毎朝黒い湿布を煮て作ってました。
くわしい内容は守秘義務があるんですが、和紙に塗って患部に張り付けます。

 

塗る時は液体なんですが、乾いてパリパリになるんですよね、パリパリなんで固体。
あれ?湿布の定義ってなんだっけ?と思うでしょう。

湿布の定義とは

wikiから引用してみます。

湿布(しっぷ)はある程度の水分を含んだ布を意味し、主に物に効果を与えるために貼って用いる。

液体の薬品を布に塗布されている医薬品を指すことが多いが、湿布本来の意味はそれだけではない。濡れたタオルを体に貼ることも湿布であるし、食品に湿度を与えるために貼ることも湿布である。壁紙を剥がす際に糊を溶かすために、薬品を含んだ布を貼ることも湿布である。

湿ったものを張り付ける事が湿布。
濡れタオルも湿布なら、頭を冷やすのに使っても湿布です。

歌のごんべさん、子供の頭を冷やしたのかも知れませんね。

湿布の定義は幅広いです。
ここまでの内容は知らない人の方が多いでしょう。

 

現代の湿布は「ハップ剤」と言って、薬成分を皮膚から吸収させて効果を狙う湿布です。
各メーカーのサイトでは、薬剤成分を浸透させて効かせる、と表示してあります。

 

浸透ってなんでしょう?ふたたびwikiから引用。

浸透(しんとう)とは、

1.一般的には、物体の隙間をすり抜けて液体が通過したり、内側に入り込むこと。

2.軍事に関する用語としては、敵の警戒網をすり抜けて部隊を侵入させること(浸透作戦)を指すが、ここでは主に1.について取り扱う。

液体?湿布は固体でしょう? では浸透しないの?表面だけ?

インドメタシンなどのハッカがスーっとして、神経のセンサーを誤魔化して痛みを感じにくくさせるのはわかる。
強力なインドメタシンが皮膚表面に作用して、表面近くの痛み刺激を阻害するのもわかる。

 

でも、液体じゃないから、深部に浸透はしません!
はい、ココ重要なポイントです。

 

痛みを感じにくくさせるし、乾燥する作用で熱を奪うこともあるでしょう。
その点で湿布は有効なので、どんどん使っていきましょう、気持ちいいしね。
でも、浸透はしないから、その作用には疑問があります。

では、シップでは何ができるのか、まとめてみましょう。

湿布で出来る事・できない事

出来る
液体を含ませて皮膚から浸透させる事が出来る
気化熱の効果で熱を奪うことが出来る
皮膚に張り付いて「ゲートコントロール理論」の応用で痛みを感じにくく出来る
鎮痛薬の皮膚から吸収させる「はるタイプ」の形態があるできない
液体で無ければ浸透効果はない
ケガや疾患の原因を治すものではない、あくまで症状の緩和といった補助

病院で腰痛を診てもらった時にシップを沢山もらえますが、シップを貼れば治るわけでは無いので注意です。

 

まとめ
湿布の特性を知り、賢く使おう!

 

シップだけでは治りません、ですが痛みをおさえる事など補助には効果的です。
正しくつかってカラダのツラさをやわらげ、快適な日常をおくりましょう!