毎年の正月には、去年1年の出来事を振り返ることにしています。
元旦に用事をすませて風呂に入っていると、いろいろ思い出してきたんですね。
下積み時代によく湿布を作っていたなぁ、と。
せっかくなんで、その頃のグダグダした思い出と黒湿布のレシピを書いていこうと思います。
ふつう湿布っていったら、製品化されてキチンとフクロに入っていて薄いビニールをはがして使うモノがほとんどじゃないですか。
しかし、昔にはそんなもん無くて、手作りしていたわけです。
で、昔ながらの技術を継承している接骨院では、昔の湿布作りも継承している所もありまして、自分が修業していた接骨院もそうでした。
「名倉」という流派の接骨術を本院で修業してきた先生が開業した院でして、したっぱだった自分は毎朝大量の湿布を作っていました。
どのくらい作っていたか、というと、ちゃんこ鍋を作る金ぴかの鍋があるじゃないですか、あれに満杯作っていました。
作った後、粗熱を取りまして、ジャムとかを入れるデカいビン6~8本くらいに入れて半分くらい冷蔵庫にしまうんですね。
しまわない半分は、バイブルサイズくらいの和紙に薄く伸ばしてから薄和紙をはりつけてから半分に折って重ねていきます。
4~50枚は作るんですが、患者さんに使ったり持たせたりなどして午前中には使い切っちゃいます。
午後も同じくらい作って、同じくらい消費しましたね、雨の日はえらく余りました。
一度、めんどくさくなって4日分を一度に作っておいたんですが、4日目とかは酸っぱいにおいがしたので作り直しました、怒られたな~。
と、まぁ懐かしい湿布作りの思い出なんですがこの湿布、色が真っ黒なんですよ。
「名倉の黒湿布」っていうくらいなんで真っ黒です。
以前、湿布は効果が薄いと書きましたが、こいつは別物です。
炭の効果か酵母の作用かよくわかりませんが、やたら熱を吸います、冷え〇タ以上の熱伝導力があるんじゃないか?
打撲、骨折、捻挫などの初期はとかく炎症があり発熱します、必要以上に腫れるとなおりづらいし、熱感があると痛いです。
そんな時、コイツを貼るとえらい楽になります、ぎゅんぎゅん熱を吸うのがわかります。
そんなすごい湿布の原料は、米粉・水・酵母の生きてる酒・炭粉・ハッカ油です、食おうと思えば食えます。
米粉がなければ小麦粉でも可能、炭粉はできればニワトコの木の炭がいいんですが、無ければ他のものでも。
原料の用意は比較的簡単、作る工程にちょっとコツがいるんですが、お菓子作りをした事のある人なら多分イケる。
名倉の黒湿布の作り方
材料
米粉カップ3 水(軟水が良)カップ5 酵母の生きてる酒(日本酒)カップ1 炭粉カップ1 ハッカ油大さじ1 鍋 コンロ 木のへら 体力
作り方
①鍋に米粉と水を入れ、木のへらでしっかりまぜる ※鍋に「の」の字を描いてまぜる
②まぜながらコンロの火力を中火にして、表面に気泡がポコポコ出てきたら弱火にしてしっかり粘りが出るまで体力の続く限りまぜる
③サイ〇リヤのドリアくらいの粘りになったら、火を止めてゆっくりまぜながら少量づつ酒を入れてなじませる
④炭粉を真ん中に入れ、全体をまぜ合わせたら、つやが出るまで体力の続く限りまぜる
➄ハッカ油を全体にふりかけたら数回サクッとまぜる
ホントはもうちょっと多い量で作ってましたが、そうするとかなり体力がいるのでレシピとしては減らしてみました。
炭粉や米粉のデカいフクロにマスが突っ込んでありまして、マスを基準に水とか酒とかを入れてましたがカップの方がわかりやすいでしょう。
なかなかのケガをした時に作っておくと重宝するので、参考にしていただけたらと思います。